1月24日、フォトグラファーの石田郁子さんにお会いして、お話をうかがいました。(長渡はzoom参加)
石田さんは15歳のときに信頼していた男性教師から性被害を受け、それは19歳になるころまで続いたそうです。
性暴力によって石田さんには何が起こるかわからない、得体の知れない恐怖を植え付けられました。
その恐怖を克服しようとして、確実に成果が出る勉強にのめり込んだといいます。
ご自身の経験を時系列に沿ってとても丁寧に語ってくださいました。
さらには自身の経験が性暴力だったことを知ったのは、裁判を傍聴した時がきっかけだったことも明かしてくださいました。
その裁判の当事者の年齢や関係性を重ね合わせたときに初めて、被害だったと気づくことができたそうです。その後、石田さんは最後の手段として、加害者側に対して民事訴訟を提起します。
そこで直面したのが、20年の除斥期間(※)という時間の壁でした。
石田さんのお話をうかがいながら、私たちの経験と酷似していることを思いました。
加害者のことを絶対に許せない、消えない傷があるのだということもお互いに共有しました。
子どもの頃に加害行為を受けても、当初はそれがどういうことかよくわからなかったし、十分に理解することも難しかったと思います。
だから被害を受けても警察に相談したり、被害届を出したりすることはそもそも困難でした。
被害に遭った時間や内容は、石田さんと私たちではそれぞれ違うけれど、受けた傷そのものは変わらないと思っています。
社会に訴えることで感じる世間の風当たりの強さ、石田さんにあっては現在も教育委員会と闘っていることを伺って、教育機関に真摯な対応がない事実を目の当たりにしました。
児童期における性暴力被害は、石田さんや私たちが経験するように、自身で気付くまでに時間がかかることは明白です。
お互いの経験を語り、話し合う時間は、それぞれのケアにもつながりました。
このような関係性を築いていくことも、あなたは決して1人ではないと発信していくワニズアクションにできることだと思います。
今後は石田さんとも協力しながら、子どもの性暴力を根絶する活動を進めていきます。
そしてこの活動は、皆さんに周知していただくことで広がります。
一人一人の意識で性暴力の抑止に繋がると信じ、これからも行動していきます。
(※)除斥期間というのは、時間が経過すれば問答無用で権利が消滅するというものですが、2020年の民法改正で除斥期間という考え方はなくなり、直ちに権利が消滅するわけではない時効期間に改正されています。
ワニズアクション 飯田恭平、大島幸広、長渡康二、中村一也、二本樹顕理
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